札幌(とか)の銭湯を(おふろニスタが)行く

家が火事になりましてね。風呂がないんですよ。で、チャリで札幌の銭湯を巡っていたら、いつの間にかおふろニスタになっていました。中年男性がお風呂が好きだと叫ぶだけのブログです。

銭湯四方山話 その弐)てれび

最寄の温浴施設は銭湯だろうか。スーパー銭湯だろうか。それとも温泉? いずれにせよ、今は浴場内(サウナ室内)にテレビが設置されている場合が多い。 「テレビはないほうがいい」という人も「あったほうがいい」という人もいる。が、どっちだって楽しめれ…

2-4,中央区南10条 大正湯

すすきのはこのまま死んでしまうのだろうか。 考えてもみなかった。 飲み屋、アミューズメント、性風俗、それらにまつわる多くの業者、観光。すすきのがもたらす恩恵=税収は、札幌市民が甘受する行政サービスを支えている。 あのネオンは、昼の光の下で生き…

2-3,豊平区平岸 千成湯

1年ほど前だろうか。 サウナブームがこれほど一般に浸透する直前、 DDD@サウナ愛好家 (id:DDDtenkinzoku)さんが『ラブホサウナ』なるカテゴリーを切り拓いた。 dddtenkinzoku.hatenablog.com このファーストペンギンの行動はサウナ愛好家に瞬く間に飛び火し…

2-2,西区八軒『琴似温泉』

雨。 自転車との相性がいいとはとても言えない天気。 特に自転車で銭湯に行く際には決しておすすめできない。 それくらい私にだってわかる。バカじゃねえんだから。 ただね。 出ちゃうのよ。 こういうときにこそ出ちゃうのよ。 往復20kmオーバーの目的地が。…

2-1,豊平区豊平『鷹の湯』

このブログの始まりは札幌の銭湯スタンプラリーだった。 札幌市内の銭湯を巡り、私はある2つの真理にたどり着く。 『いい銭湯とは近くにある銭湯』 『〆切のあるスタンプラリーは性格的に合わない』 以上のことから、2年前にラリーを達成して以来、行きたい…

せん湯とごはんvol.10)豊平区豊平『鷹の湯』と豊平区豊平『蛸屋本店さっぽろ店』

家が火事でなくなった。 これが銭湯巡り(とブログ)を始めるきっかけになったのだが、「おかげさまで人生が豊かになりました!」と思えるほどポップでキッチュな出来事ではない。 あれからの私はいつも暗い影を背負い、笑顔を忘れ、信じられるものは自分、…

銭湯四方山話 その壱)湯屋に咲く華

刺青、タトゥーお断り。 これがプール・温泉・スーパー銭湯のデフォルトになったのはいつなのだろう。私が物心ついたときにはこれが『あたりまえ』になっていた気がする。 私は小さいころ家に風呂がなかったゆえ、『湯屋の華』を背負った裸の男性を見慣れて…

lesson.2)白石区東札幌 共栄湯

白石区は難しい土地だ。 何がどう難しいかを説明するのは無粋というものだが、多くの札幌市民(とりわけ白石区民)は「うむ」と頷いてくれるはずだ。 だからなのか、白石区の銭湯は総じてホスピタリティが高い。利用客のことをよく考えている。 たとえば、白…

extra11)中央区南3条 ニコーリフレ

高校時代の学校祭を思い出す。 なにやら楽しそうに出し物の準備をしているクラスメイトたち。輪の外からその陽気な雰囲気を斜に構えて眺めている私。 ニコーリフレは行こうと考えただけで、あのころの私に戻ってしまう不思議な場所だ。 アウフグース。 掛け…

lesson.1)豊平区豊平 鷹の湯

この入り口の下に立ったあなたは鷹の湯を味わう準備ができているだろうか。 「どれどれどんなところかたしかめてやろうじゃないか」 「お湯が熱いって聞いたけど、あそこと比べたらどうなんだい?」 もし、心の片隅にこんな思いが浮かんでいたとしたら、今日…

せん湯とごはんvol.9)豊平区豊平『東豊湯』と『三日とろろ』

〈父上様、母上様、三日とろろ美味しゆうございました。〉 前回の東京五輪のスターのあまりにも有名な遺書。2回目の東京オリンピックの延期ないしは中止に何を思うだろうか。 未曽有の2020。 2021はどうなるんだろう。 ワクワクした気持ちで考えるにはあまり…

extra.10)白石区・大豊湯・共栄湯・美春湯 豊平区・鷹の湯・東豊湯

8月のある日、札幌市内のこの5店舗がパインアメの湯を同時に実施するというイベントがあった。 さつよく(札幌公衆浴場商業協同組合)が主導ではなく、あくまで各々の裁量と探求心が生んだイベントだ。 第1弾のときもワクワクしてブログを更新した。その感想…

せん湯とごはんvol.8)岩見沢市毛陽町『ログホテル ザ・メープルロッジ』と岩見沢市5条東『かまだ屋6条店』

「やはり狂人であったか」 フレイムタイラントから多くの無謀な挑戦者たちに送られた言葉だ。 ゲームの中だけの話ではない。現実の世界にも多くの狂人は潜んでいる。 知人は手稲山ヒルクライムを1日5往復敢行した。 8km強の登りと8km強の下り。それを5…

せん湯とごはんvol.7)中央区南4条『喜楽湯』と『サッポロ一番味噌らーめん』

起きたら朝だった。 確か私は昼寝をしていたはずだ。 せっかくの平日休み。気が重い予定をキャンセルして、軽やかに羽を広げられるように段取り、どこまでも自由の風に吹かれて飛んでいく。そのための昼寝だった。 でも、起きたら朝だったのだ。 ぼーっとし…

せん湯とごはんvol.6)中央区南4条『喜楽湯』と『サッポロ一番塩らーめん』

食欲が止まらない。 なまじ量が食べられるために、一度に消えていく食材が多すぎる。 これはお金の問題だけではない。 加齢に伴い、食べたものがそのまま体にこびりつき始めている。 現在、私の体重は過去最大まで増加し、体脂肪率も新記録更新中である。 と…

extra9)白石区南郷通7丁目 美春湯内覧会

どりーむぉん どりーむぉん どりーむぉん どりーむぉん どりーむぉん どりーむぉん どりーむぉん うぉぉぉおんー 朝から頭の中でエアロスミスが歌っている。 札幌に残る数少ない番台式の銭湯・美春湯がロビー式に改装する。その前に、無料で、誰にでも、改装…

おふろを持たないおふろニスタと、彼の巡礼の年 BOOK1)札幌市南区小金湯 湯元小金湯

今から20年前、私がまだ無軌道な若者だったころ。羊蹄山のふもとでの愚行をときどき思い出す。 羊蹄ふきだし公園。 羊蹄山の名水がこんこんと湧き出す名水の里。高校時代、友人(通称『京極のプリンス』)はその水の味をことあるごとに自慢していた。 「札幌…

extra8)白石区・大豊湯・共栄湯・美春湯 豊平区・鷹の湯・東豊湯

大きなうねりの始まりは「共栄湯」だった。 『パインアメの湯』という大人の子ども心をくすぐる薬湯が実施されると、札幌の銭湯愛好家たちはにわかに色めきだった。 「女房を質に入れてでも行かにゃッ!!」 「仕事なんてやってられるかッ!!」 「甘い匂い…

せん湯とごはんvol.5)石狩市弁天町『番屋の湯』と札幌市中央区大通西2丁目『サンドイッチの店 さえら』

桃。 それは世界一おいしい食べ物の名だ。 少しかためのものをキンキンに冷やす。次に、表面の産毛が気にならなくなるくらいまで流水で洗う。皮は剥かない。 それをそのまんままるかぶりする。 手にしたたる果汁をちょっと下品だな、と思いながらも口でちゅ…

せん湯とごはんvol.4)手稲区富岡『ていね温泉ほのか』と『ほのか特製冷麺大盛り』

禁煙を始めたのは2年前。20年余りにわたり吸い続けたタバコとのソーシャルディスタンシング。 けれど、嫌いになったわけじゃない。 誰が何と言おうとタバコはかっこいい。 思わずこぼれる涙の理由を「煙が目に染みただけ」と答えることができる。 ラッキース…

extra7)白石区菊水元町 湯めらんど

重い。 体が重い。 心が重い。 体が重いから心が重いのか、心が重いから体が重いのか。卵が先で、鶏があとなのか、鶏が先で、卵はあとなのか。無から有が作られたのか、有が無を照らし出したのか。右がマナなのか、左がカナなのか、それとも左が俺で、俺がお…

extra6)妄想銭湯・白石区菊水『俺の菊水湯』

お金は寂しがり屋だという。私と同じだ。 だったら、その寂しさを紛らわせに私のところに来ればいいのに、彼女はどうも人見知りなようだ。そんなところまで私と同じだ。 では、私のところにお金がうなるほどまわってきたとしたら、私は何をするだろうか。 毎…

札幌家族風呂たんぼう②)白石区美春湯の場合

正論が嫌いだ。 正論はあまりに正しすぎる。正しすぎるものは、排他的すぎる。そして、私はこれまでの人生で排除されすぎてしまった。 「我々は何ものも拒まない。だから、我々から何も奪うな」 少年漫画に出てくる頭のいかれたテロリストのセリフが身にしみ…

札幌家族風呂たんぼう①)手稲区あけぼの湯の場合

「愛しているなら、0.03mm離れて」 愛し合う2人には離れなければならない距離がある。切ない話だ。その悲しみを少しでも和らげるための研究は続く。 そして、長い歳月の果て、今や「0.01mm」までその距離は縮んだのだという。(伝聞推定)2人の距離は着…

せん湯とごはんvol.3)白石区東札幌『共栄湯』と豊平区豊平『やきとり真』

贅沢は敵だ。そう思って今までこらえてきた。 だが、それはおおむね功を奏すことはなかった。 無理な我慢が鬱屈した人間性を形成し、その発散のため、多くの破壊衝動に身を委ねざるを得なかった。 若かりし頃、北海道有数の名水の産地、羊蹄山の『ふきだし公…

せん湯とごはんvol.2)白石区菊水『菊水湯』と白石区菊水『綱取物語』

肉欲が抑えきれない。 どうしても鎮まらない。 自分で言うのもなんなんだが、私はおおむね欲の少ない人間だと思っている。パンツは擦り切れるまで履くし、着れる服があれば、特段新しく買うことはない。 何か欲しいものがあるわけでもないし、何かを失いたい…

せん湯とごはんvol.1)豊平区美園『松竹湯』と豊平区美園『キッチン一力』

これほどまで難解な人生という長い旅路を、勝ちか負けかの単純な二層構造でできているとしか理解できないのに、自分は『勝ち組』だと恥ずかしげもなく信じて疑わないでいられるおめでたさを浮かべたような笑顔で、昨今のサウナブームの牽引者がインタビュー…

39,東区北27条 大学湯

「てめえら!この状態が今何を意味しているかわかるか!俺はど真ん中に立ったんだぞ!」 長州力は吠えた。 それはリングの『ど真ん中』という意味だけではない。新日本プロレスという会社の、レスラーたちの、男たちの、生き様の『ど真ん中』だ。 長州のこの…

38,東区北17条 美香保湯

かつて一世を風靡した養老孟司さんの『バカの壁』をご存じだろうか? 「知っているよ、バカにするんじゃあないよ」という声が聞こえてきそうだが、内容を超絶簡略化して説明する。 「バカは『知っている』と思うと、それ以上新しい発見をしようとも、見よう…

37,西区発寒 滝の湯

やってくれたな。 逆恨み甚だしいことはわかりつつ、湧き上がる感情は抑えられない。ペダルを踏みこむ脚に余計な力が入る。 しかし、私は悪くない。そもそも感情にいいも悪いもないのだ。どんなことにも怒っていいし、何に対しても楽しんでいい。それを声に…