札幌(とか)の銭湯を(おふろニスタが)行く

家が火事になりましてね。風呂がないんですよ。で、チャリで札幌の銭湯を巡っていたら、いつの間にかおふろニスタになっていました。中年男性がお風呂が好きだと叫ぶだけのブログです。

せん湯とごはん

せん湯とごはんvol.10)豊平区豊平『鷹の湯』と豊平区豊平『蛸屋本店さっぽろ店』

家が火事でなくなった。 これが銭湯巡り(とブログ)を始めるきっかけになったのだが、「おかげさまで人生が豊かになりました!」と思えるほどポップでキッチュな出来事ではない。 あれからの私はいつも暗い影を背負い、笑顔を忘れ、信じられるものは自分、…

せん湯とごはんvol.9)豊平区豊平『東豊湯』と『三日とろろ』

〈父上様、母上様、三日とろろ美味しゆうございました。〉 前回の東京五輪のスターのあまりにも有名な遺書。2回目の東京オリンピックの延期ないしは中止に何を思うだろうか。 未曽有の2020。 2021はどうなるんだろう。 ワクワクした気持ちで考えるにはあまり…

せん湯とごはんvol.8)岩見沢市毛陽町『ログホテル ザ・メープルロッジ』と岩見沢市5条東『かまだ屋6条店』

「やはり狂人であったか」 フレイムタイラントから多くの無謀な挑戦者たちに送られた言葉だ。 ゲームの中だけの話ではない。現実の世界にも多くの狂人は潜んでいる。 知人は手稲山ヒルクライムを1日5往復敢行した。 8km強の登りと8km強の下り。それを5…

せん湯とごはんvol.7)中央区南4条『喜楽湯』と『サッポロ一番味噌らーめん』

起きたら朝だった。 確か私は昼寝をしていたはずだ。 せっかくの平日休み。気が重い予定をキャンセルして、軽やかに羽を広げられるように段取り、どこまでも自由の風に吹かれて飛んでいく。そのための昼寝だった。 でも、起きたら朝だったのだ。 ぼーっとし…

せん湯とごはんvol.5)石狩市弁天町『番屋の湯』と札幌市中央区大通西2丁目『サンドイッチの店 さえら』

桃。 それは世界一おいしい食べ物の名だ。 少しかためのものをキンキンに冷やす。次に、表面の産毛が気にならなくなるくらいまで流水で洗う。皮は剥かない。 それをそのまんままるかぶりする。 手にしたたる果汁をちょっと下品だな、と思いながらも口でちゅ…

せん湯とごはんvol.4)手稲区富岡『ていね温泉ほのか』と『ほのか特製冷麺大盛り』

禁煙を始めたのは2年前。20年余りにわたり吸い続けたタバコとのソーシャルディスタンシング。 けれど、嫌いになったわけじゃない。 誰が何と言おうとタバコはかっこいい。 思わずこぼれる涙の理由を「煙が目に染みただけ」と答えることができる。 ラッキース…

せん湯とごはんvol.3)白石区東札幌『共栄湯』と豊平区豊平『やきとり真』

贅沢は敵だ。そう思って今までこらえてきた。 だが、それはおおむね功を奏すことはなかった。 無理な我慢が鬱屈した人間性を形成し、その発散のため、多くの破壊衝動に身を委ねざるを得なかった。 若かりし頃、北海道有数の名水の産地、羊蹄山の『ふきだし公…

せん湯とごはんvol.2)白石区菊水『菊水湯』と白石区菊水『綱取物語』

肉欲が抑えきれない。 どうしても鎮まらない。 自分で言うのもなんなんだが、私はおおむね欲の少ない人間だと思っている。パンツは擦り切れるまで履くし、着れる服があれば、特段新しく買うことはない。 何か欲しいものがあるわけでもないし、何かを失いたい…

せん湯とごはんvol.1)豊平区美園『松竹湯』と豊平区美園『キッチン一力』

これほどまで難解な人生という長い旅路を、勝ちか負けかの単純な二層構造でできているとしか理解できないのに、自分は『勝ち組』だと恥ずかしげもなく信じて疑わないでいられるおめでたさを浮かべたような笑顔で、昨今のサウナブームの牽引者がインタビュー…