札幌(とか)の銭湯を(おふろニスタが)行く

家が火事になりましてね。風呂がないんですよ。で、チャリで札幌の銭湯を巡っていたら、いつの間にかおふろニスタになっていました。中年男性がお風呂が好きだと叫ぶだけのブログです。

「臭みがなくてうまい」について~ブログ再開を目指したリハビリ雑文

「このお肉、臭みがなくておいしい!」

この言葉にいつも引っ掛かる。

「美味しいお肉」をほめるために「臭みがなくて」は適切かい?

むしろだよ、ジンギスカンって臭いからうまくないかい?

臭みと香りって紙一重で、私なんてジンギスカンの香りは強い方がうまいじゃないかと思うわけですよ。

「臭みがなくておいしいジンギスカン」もうめえうめえ言って食べますが、匂い強めの丸ラムジンギスカンこそを魂震わせながら、うんめえええと咀嚼する。すると脳髄をダイレクトにびりびりさせる汁がだらだら出るんですよ。もやしとたまねぎを蒸し焼きにしながら丸ラムの脂を滴らせて、肉汁が浮いてきたところをバクっと食ってやるんです。たれはベルのジンたれね。そのくせ強な匂いをクラシックでカーっと流し込むの。

カーっと

最高じゃない?

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もうここまで来たら言っちゃうわ。ついでだから言っちゃう。

大きな声では言えないけれど、

山岡家は臭いよ。

誰が何と言おうと臭うもんはしょうがないじゃない。私が山岡家だったら、自分の体臭に対していいわけのしようがない。でも、山岡家どうしようもなくうまいよ。

しかも、ニンニク山盛りにして食べるのね。豆板醤も入れちゃって。黒コショウなんてゴバゴバに入れてさ。わざわざさらに匂い強くしちゃうわけ。

山岡家に対して、「思ったより臭みがなくておいしいですね」なんて言ったら、「何言ってんだい、お前には俺の良さがわかんねえようだな」と一喝されますよ、そりゃ。

私は声を大にして言おう。

山岡家は臭くてうまい!

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とはいえ、今私は加齢臭に怯えている。匂いが強いものが好きだと言っていられない。

たぶんもうかもしている。

でも、自分ではわからない。情けない。おじさんは「臭いけどうまい!」が通用しない。それはちょっと気持ちが悪い。

だから、風呂巡りを再開しなきゃならないな、と思うわけです。うまい飯と最高の風呂。

sapporo-sento-syosinsya.hatenablog.com

今後、私おふろ二スタは『せん湯とごはん』シリーズを復活させ、ブログを(少しだけ)活発化させようと思います。

このシリーズの銭湯はほとんどが失われ、飲食店も廃業してしまっています。それが残念なので、新しく発掘した組み合わせを見つけていきたいと思います。

もし、まだ楽しみに待っているよーという方がいらっしゃいましたら幸いです。

最初は近隣から回りますね。

豊平区豊平 鷹の湯

私の銭湯体験はいつも鷹の湯とともにあった。

sapporo-sento-syosinsya.hatenablog.com

「鷹の湯」で検索すると、このブログだけで30本以上の記事が出てくる。

私にとって、銭湯と言えば鷹の湯だった。

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我が家が火事で燃えてしまったとき、あたたかな(いささか熱すぎる)風呂を堪能できたのはありがたい出来事だった。

母子ともに焼きだされて、荒んでしまった心を鷹の湯はあたためてくれた。

あのころ、鷹の湯で元気に温冷交代浴を楽しんでいた母は施設へ入所し、生活のほぼすべてに介助が必要になった。

元気に札幌中の銭湯を自転車で駆け回っていた私も、ほとんどの日々を家のシャワーで済ますひざ痛を抱える中年男性になった。

時間は我が家にとってはなかなかに厳しく立ちふさがった。

しかし、古きよき銭湯・鷹の湯は残酷に流れる時間に立ち向かうよう、ボイラーの新調を試みていた。

2025年6月の半ばから作業に取り掛かり、2025年7月の後半まで。約1か月の休業を経て、新しい(見た目は今まで通りの)銭湯に生まれ変わった。

私は遠くから再開を喜んでいた。

そして、8月には1度お邪魔させてもらいにも行った。(Xにもブログにも記録はしていないが)

いつもよりも落ち着いた熱湯。湯屋の華。いつも通りの静けさと天井にぽっかりとあいた穴。

入るときの受付は親父さん、帰るときの受付はおかみさん。いつの間にか入れ替わるのもあのころのままだった。

一緒に行った友人からは「思ったよりはお湯は熱くなかったけど、いい町の銭湯だね」という新しい鷹の湯にふさわしい感想をもらった。

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news.yahoo.co.jp

出火はボイラーからだとニュースは言う。

こんなに悲しいことがあるだろうか。

新調したばかりのボイラー。これからの時代を生き抜かんとした親父さんやおかみさん、そして、日々の銭湯情報を発信している娘さんの心をないがしろにする現実。

言葉が出ない。

けが人がいなかったことが不幸中の幸い?

こんな現実に幸いを見つけられるほど前向きな楽観主義者は世界でどれくらいいるのか?私は悔しくてたまらない。

それでもニュースは「こんな現実」を端的に切り取る。

そして、思う。

そこは排気口なんかじゃないんだよ。

そこは湯につかる我々を見守ってくれるぽっかりとあいた不思議穴だ。訪れた客がそれを眺めて首をひねる、そんな物語が詰まった場所だ。どこに繋がっているのかなんてのは二の次の穴なんだ。「排気」なんて言葉でわかった顔をされたくはない。

どうか。

何を誰にどうかしてほしいのか、私には皆目見当もつかない。それでも、「どうか」と祈らずにはいられない。

なにとぞ、どうか、お願いします。

私は、私たちは、鷹の湯さんが大好きです。

ポーカーをした話ep.0)~おふろは一切出てきません

体調を崩していた。

それはそれは長く崩していた。実に3か月。

そんな暗いトンネルを抜けたのがこの12月のはじめ。やっと今月といったところだ。

自分を責めて、ただただ動けない日々。

少し不思議な話だが、その暗いトンネルを抜けるきっかけがポーカーだった。

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ポーカーにはいくつか種類があり、今の流行は承太郎がやっていたポーカーとは少し異なる。

くわしく言うと、ポーカーはポーカーでも「テキサスホールデムポーカー」という。

1人に2枚トランプが配られて、共通カード5枚と自分の手札の組み合わせでより強い役ができたほうが勝つというルールになっている。

役というのは、「ワンペア」とか「フラッシュ」だとか「ロイヤルストレートフラッシュ」だとか、どこかで聞いたことがあるあれのことである。

いたってシンプルなルールで理解するのにはそんなに時間がかからないが、極めようとすると膨大な時間がかかる。そんなボードゲームだ。

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私の少ない趣味の1つがポーカーだ。だが、それはあくまで「私」の趣味。誰かと共有することもないし、誰かと遊ぶこともない。ただただ、スマホアプリの中だけの小さな世界での出来事だった。

そのはずだった。

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体調を崩しながらなんとか外出し、やっと訪れたコミュニティ。3か月家から出られなくても受け入れてくれるそんな場所が世界にはある。

そのことに感謝しながら、自分の席につく。「自分の席」がある。そのことに安心する。すこしだけ「世界に俺がいていい」と思える。

飛び交う雑談。借りてきた猫のような自分。そんな中私がポツリとつぶやいた。

「俺、ポーカーが好きなんですよね」

誰に拾われる発言でもない何気ないつぶやき。

3か月誰ともしゃべらなかった人間のささやき。

呼応して、ふと誰かが言う。

「どういうものですか?」

おそるおそる私はしゃべり始める。

5枚ではなく2枚のトランプが配られること。今年のレディースの世界大会のチャンピオンが日本人の女性だったこと。その賞金が2800万円くらいだったこと。誰にでもできること。

話に熱がこもってくる。自分の好きなものには口数が止まらなくなる「あれ」だ。

「やってみませんか?」

そして、思わず口をつく言葉にハッと息をのむ。言ってから気がつく、自分の行き過ぎた言葉。

「ええ、ぜひ」

小さな第一歩だった。

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誰かとポーカーをするのは初めてだった。

ポーカーにはチップが必要だから、それには備え付けてあった碁石を代わりに。

おぼつかない手でトランプを配り、アプリで勉強したやり方をしてみる。

碁石(チップ)が行ったり来たりする。

自然と会話が生まれる。

久しぶりに笑ったりする。

3か月ぶりに笑ったりできている。

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2025年2月。

札幌でJOPTというポーカーの日本大会が開かれる。

2025 Sapporo #01 - Japan Open Poker Tour

知らない誰かと話をするのはあまり得意ではないままだけれど、出てみたいという気持ちになっている。

前を向けたのはポーカーの力であり、コミュニティの力でもある。

どこまで自分がやれるのか。

この年齢になって、チャレンジできるのもうれしい。

できることなら、勝って、自分が幸せになりたい。自分が幸せになることで喜んでくれる人がいるというのがわかることができたのだから。

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といって、昨日(2024.12.28)、大会(JOPT)のサテライト(予選)に出てみました。そして、しっかりくっきり負けました。

ああー、こういうときこそでっかい風呂に入りてえなあ。

リハビリテーションstep5  札幌市豊平区美園 美園湯


休日には積極的休日と消極的休日がある。

積極的に体を休める日。積極的に外へ飛び出す日。

それに対して、消極的に(結果的に)外へ1歩も出ずに家の中で過ごす日。

同じ過ごし方をしても、両者には比べようもない差がある。

少しずつ元気になってきてから、積極的な休日は増え始めた。このリハビリテーションシリーズがその証拠だ。

しかし、ここ最近は消極的な休日が増えてきている。

簡単に言えば、動けない日。

動かないのではなく、動『け』ない。

家族がいない身だからこそのぜいたくな時間と言えば聞こえがいいが、その実はひとり布団の上でうずくまり、ただただ身を固く丸める時間だ。

なんのために生まれて、なにをして生きるのか。

答えられない。

その問いに抵抗したいが、泥の中に沈み込んだ心では身動きが取れない。

ぼうけんのしょはきえてしまいました

でも、ときどきそんな自分に嫌気がさしてくる。そんなとき、ふつふつと小さな種火が灯る。ほのかな光がヒーローの足元を照らす。

心の中のアンパンマンが大声で叫ぶ。

そんなのは嫌だ!

立ち上がる勇気はもらった。そうだ、おふろ行こう。

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むくりと立ち上がる。

重い体に鞭打って動けるのはわずかな距離だ。

そんなときに近所の銭湯は助かる。救いの蜘蛛の糸だ。

今の私の家からの最寄りは『美園湯』。

さつよく(札幌の銭湯の組合)に所属しない無頼な昔ながらの銭湯。孤独な中年を癒すにはあまりにちょうど良い。

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ガラララララ

暖簾をくぐって中に入る。驚きの光景が広がる。

男湯と女湯がシームレスでつながっている。もちろんついたてがあるから中は見えないのだが、あまりの継ぎ目のなさ、壁のなさにびっくりしてしまう。

入湯料は470円。(2024.8.4現在)

さつよく加盟店に比べて少し安い。

ほんの少しのドギマギを抑えつつ、ロッカーへと進む。ロッカーも古めかしい。しかし、奥行きが深く荷物はすっぽりとおさまってしまう。

開店から間もない時間。

先客が5人ほどいるみたいだ。

体が快楽を求めている。待ちきれない思いを抱え、乱暴に服を脱ぎすててしまう。

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浴室はごくごくシンプル。

主浴・水風呂・スチームサウナ。以上。

銭湯と聞いて思い出すのはこのような場所だった。来たことはなくても、見たことがあるようなザ・銭湯。それが美園湯だ。

ブーーー

入ると浴場内にブザーが鳴り響いている。何の音かはわからないが、気にしていてもしょうがない。

体を洗い、主浴へと向かう。

ふううう

熱すぎず、ぬるすぎず。深めの足の伸ばせる風呂。疲れがお湯に溶けていくようだ。

そして、水風呂。

はあああ

こちらも冷たすぎず、ぬるすぎず。小さめのキュッとした水風呂だ。

温冷交代浴を繰り返し繰り返し。

そして、スチームサウナだ。

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シューー

湯気がひっきりなしに上がり続けている。オートロウリュ?そんな言葉がない時代から湯気をひっきりなしに吐き続けているのだろう。

床が熱い。

天井から落ちてくる水滴に驚く。

シューー

息が詰まるスチームサウナの中、この後に待っている小さな水風呂を思う。

我慢が私たちをより遠くへと運んでくれる。

なにがきみのしあわせ

なにをしてよろこぶ

わからないままおわる

ソンナノハイヤダ!

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「あの、ブーっていうブザーは何の音なんですか?」

「ああ、時々ポンプが上がらなくなってね」

濡れた体をふきながら、ご主人はそう答えてくれた。

施設の老朽化。

これはどこの銭湯でも避けては通れない問題なのではないだろうか。

いなくなってから嘆くより、会えるときに会っておいたほうがいい。わかってはいるけれど、実行するのは難しい、当たり前のこと。

それを美園湯は教えてくれているようだ。

歩いて行ける場所に銭湯がある。そんな幸せを私は知っている。熱い風呂のあとの水風呂の幸せ。サウナのあとの水風呂の幸せ。そして、風呂上がりのビールの幸せ。

だから、君はトブんだ、どこまでも。

とりあえず、これからも出会いと別れを繰り返しながら、合法的なトビカタを心得ておこう。きっとどんな休日においても彩りを加えてくれるはずだと思うから。