札幌(とか)の銭湯を(おふろニスタが)行く

家が火事になりましてね。風呂がないんですよ。で、チャリで札幌の銭湯を巡っていたら、いつの間にかおふろニスタになっていました。中年男性がお風呂が好きだと叫ぶだけのブログです。

リライト①)■始まりの前~0ポイント地点

私が銭湯に興味を持ち始めたのは、プロフィールにある自宅の火災[1]よりもずっと前になる。

銭湯に『行かねばならない』状況に追い込まれる前から、私の心は銭湯に対する関心に満たされていた。ただ、興味関心はあれど、私には行動力というものが欠如していた。

なけなしの行動力を後押しするのが火災だったわけだ。では、興味関心はどこから湧いてきたのか。

その源泉ともいうべき0ポイントを3つ紹介する。

1つ目はタナカカツキ先生の『サ道』[2]

2つ目は銭湯神・ヨッピー氏[3]の記事。銭湯神は記事の中で、人類に水風呂のよさを伝えている。

そして、3つ目が友人S[4]だ。

彼は大学卒業旅行において目の前で水風呂に入ってニルヴァーナ(トリップ)してくれた。

数多くの先駆者のように、私も水風呂やサウナは拷問としか思えなかった。また、そのときのSもしかり。

若気の至りでその拷問をゲームとして取り入れていた卒業旅行でSは突然言い始めたのだ。

「俺、水風呂から出たくない」

Sの頭がおかしくなったと私たちは思った。焦点が定まっていない。

「ぜんぜん冷たくない」

いよいよだ。なぜならSの口からは白い息が出ている。ここは温泉だぞ?内風呂の中だぞ?

「気持ちいい気持ちいいキモチいいキモチイイキモチイイ」

罰ゲームが若者の理性を奪った瞬間だった。

もちろん当時はそれがなぜなのかはわからなかった。しかし、『サ道』、銭湯神という翻訳者を得た今は、Sがサウナ・水風呂、ひいては銭湯によってニルヴァーナしたことがわかるようになった。

私もととのいたい。あのときのSのように。つらい現実からニルヴァーナできるならなんだってしようじゃないか。

そんな原体験を追い求めた銭湯初心者の36歳男性[5]が、地元札幌の銭湯スタンプラリーを自転車で制覇していく。

そんな一人セゾン[6]なブログをいまここから始めたいと思う。

次回、豊平区豊平『鷹の湯』

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[1] 2018年6月に自宅が燃えた。消火器で対処するも時すでに遅く、逃げるだけで精いっぱいだった。火事怖い。

[2] 『ととのった』というワードをひっさげ、サウナブームの火付け役となった漫画。前身は氏のブログ。そのブログの中で『ととのう』ことが『ニルヴァーナ』と表現されている。ひねくれものの私は『ととのった』のかわりに『ニルヴァーナ』を使っていた。

[3] 有名ライター。たこ焼き神。

[4] 高校時代からの友人。同じ大学に進学し、入学式でお互いの母親同士が「うちの子、高校で遅刻が学校で二番目に多かったの」「えー、うちの子は一番だったのよ!」と会話を交わしたことはあまりにも有名。

[5] 2018年当時はおじさんだな、と思いながら書いていたが、2021年7月、27歳(16進数)になった今、この記述は嫌味にしか思えない。

[6] 欅坂46の『二人セゾン』。名曲。ピコ太郎も絶賛していたから間違いない。