文学フリマに向けて①)所信表明
きっかけはひょんなことだった。
知り合いから
「ちょっとうちの生徒の作文を発表する場所ないかな」
と相談された。
彼は地域密着型の塾みたいなところで作文を教えている。
んー。
うーん。
私にいいアイディアが思いつくわけもなく、そんなことをすっかり忘れている間にコロナがやってきた。
そんな中、くだんの彼から
「ブログの本だそうよ、それに子どもの作文載せてよ」
と提案された。
!!!???
学校が休みになり、行事がなくなり、部活の大会がなくなった昨年、知り合いはどうしても子どもたちのモチベーションの持っていき場所を作りたいと言った。
私としても、コロナが地域の銭湯をも飲み込んでしまう気配にうんざりしていた。そして、銭湯の文化を下の世代に伝えなければならないという思いもあった。しかし、私には子どもがいない。学校もない。家庭もない。カーテンもない。花を生ける花瓶もない。
やるか。
そう決めた矢先、同人誌を作って販売する予定だった2020の札幌の文学フリマの中止が決まった。
コロナの波は多くの希望や意欲を飲み込むのだと知る。
それから私の決意は宙に浮いたままだった。
そして、迎える今年10月3日(日)に北海道自治労会館4F・5Fホールで行われる(はずの)文学フリマ。
やるなら
今しか
ねえ
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ブログ本を作るのは決めたとはいえ、不安はたくさんある。
①このブログを知っている人がどれだけいるのか。
最近のコロナ情勢を鑑み、ブログの更新をほとんどしていなかった。当然、読者の方は離れていっている。これからブログの新しい読者を獲得することは不可能に近い。
②売れるのか。
作ったはいいが売れなかったでは、寄稿してくれる生徒さんに申し訳ない。というか、どうやったら売れるのか。
③中身はどうするか。
2018年のスタンプラリーを本にすることは決めているが、そのままだったら本にする意味がない。
かといって、手直しをしたら別物になってしまう。新しく書く時間はない。
④本を作るのはどうしたらいいのか。
まったくわからん。
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①②に関しては私にはどうにもならない。祈りをささげるしかない。
ささやかな抵抗のため、Instagramを始めてみた(https://www.instagram.com/ofuronista/)
が、何をどうするのが効果的なのかさっぱりだ。しかし、純度100%の宣伝アカウントとして運用していく。これが私の祈りだ。実に祈り方は宗派によって異なるものだ。
③については方向性は決まった。
鬼のように脚注、説明を追加して、『文学部唯野教授』のように本文と脚注が同じくらいの量にしようと考えている。
というのも、このブログは「わかる人にだけわかればいい」という思いで書いている。だが、本にする際は細かく仕込んだオマージュやらユーモアやらも恥ずかしげもなくしつこくみっちりと説明しようと思う。執拗に。粘着質に。ねっちょりと。
中身の一部はこの『文学フリマに向けて』シリーズで先行して紹介していく予定だ。たぶん。
④は知らん。本当にわからない。何冊作ればいいのかも、どうやって作ればいいのかも、どれくらいの金額がかかるのかも、いくらにすればいいのか、も。
わからないことがわからない。考えたくない。つらい。もうやめたい。始める前から終わりたい。
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あと2か月。
あーだこーだ言ってみたが、やると決めたからにはやるしかない。
どうやら寄稿してくれる生徒さんは2人。中学生の女子らしい。
そんな子たちが銭湯に行って、何を感じ、どんな文章を書くというのだろうか。不安ばかりだが、その点については私も楽しみでならない。
若い世代に銭湯のよさを伝える。
最低限、その役割が果たせるようにこれから2か月がんばったり、がんばらなかったりしようと思う。