札幌(とか)の銭湯を(おふろニスタが)行く

家が火事になりましてね。風呂がないんですよ。で、チャリで札幌の銭湯を巡っていたら、いつの間にかおふろニスタになっていました。中年男性がお風呂が好きだと叫ぶだけのブログです。

extra11)中央区南3条 ニコーリフレ

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高校時代の学校祭を思い出す。

なにやら楽しそうに出し物の準備をしているクラスメイトたち。輪の外からその陽気な雰囲気を斜に構えて眺めている私。

ニコーリフレは行こうと考えただけで、あのころの私に戻ってしまう不思議な場所だ。

アウフグース

掛け声。

裸のにぎやかな男たち。

輪の外に自分がいるような感覚。

それでもニコーリフレに行きたい。

私だって、陽気な音楽を聴き、カンカンと照る太陽の真下、水着を着て、ビーチでBBQをしてみたい。

その輪に興味がないわけじゃない。興味がないふりをしないとやっていられないだけなのだ。

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3時間コースのお金を払い、ロッカーでおふろ用のメガネを忘れたことに気づく。

こうなると私は何も見えない。足元もおぼつかない。形の認識ができない。1m先の人の顔に目と鼻と口がついているのかついていないのかすらわからない。

だが、これでいいのかもしれない。

なんの視覚情報も受け取れないのだから、自分の『体験』のみに意識を集中できる。

見えないという不自由が、私をニコーリフレでたびたび感じる疎外感を薄めてくれる予感がする。

身にまとうはタオル1枚と、カギ1つ。『万平サウナ音頭』をBGMに体も心も丸出しむき出しでいこう。

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おっ、お湯の温度がちょうどいい。

激烈に熱い湯は、水風呂との交互浴をはかどらせてくれる。だが、ことニコーリフレにおいては、そんな温度設定にしてしまうとせっかくのサウナが台無しになってしまう。

熱い湯は「ほーう」にとどめ、ジャグジーもぬる湯も「はわよーん」だ。

すべてはサウナを全力で盛り上げるためのもの。それに気がつき驚く。

派手な演出にばかり目がいくが、メインディッシュをよりよく味わうための心配りがされている。

星の王子様のキツネの言葉がよみがえる。

『かんじんなことは目に見えないんだよ』

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「マスクタオルとバスタオルの着用をお願いいたします」

アウフグースを受けるためのマナーが増えている。それも時代との兼ね合いと心配りのたまものだ。

サウナ室はすぐに忍者の装いの男たちでいっぱいになる。どうせ見えやしないから、と目を閉じて静かにアウフグースを待つ。

そして始まる熱波師の口上。

空気の旋回。

背中を抜ける熱い風。

蒸気の上昇と下降。

こじ開けられる穴。

ねじ込まれる熱気。

やっぱりすげえ。

1人1人にぶち当てられる熱風。

「1・2・サウナー」

「1・2・サウナー」

この掛け声が苦手なんだよな、と斜に構え、目をつぶりながら自分の番を待つ。

「1・2・サウナー」

「1・2・サウナー」

そして、向けられる熱波。

目を開けると必死にタオルを振る熱波師の方の顔が見えた。視力がほとんどない私にもわかる必死な表情。

「1・2・サウナー」

「1・2・サウナー」

やがて1人10発の熱波が始まる。

ああ、そうか。

毎日こんなにタオルを振り続けりゃ、肩も壊れる。熱さの中で激しい運動をし続けてりゃ、涼しい顔なんか作れやしない。

それでも、熱波師の仕事は続く。

その姿をぼんやりした視界にとらえ続ける。

そして、思わず手拍子を打っている自分に気がつく。

がんばれ、がんばれ。

心まで熱くなっている。

私はこれまでいつでも傍観者だった。

でも、ニコーリフレのサウナ室で、私は確かに輪の中にいた。

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アウフグースが終わり、水風呂へと急ぐ。

ちんちんに冷え切った大きな水風呂。

アイスストームだ。

ダイヤキュートだ。

ぱよえーんだ。

ぱよえーん

ぱよえーん

ぱよえーん

パヨエーン

パヨエーン

そりゃあキマりますよ。

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菊水湯湯めらんど風呂~楽 渥美湯、富美の湯。

札幌市の温浴施設が次々に閉店していく。

サウナブームをけん引するニコーリフレは、多くのサウナ者を札幌市に生んでいる。このニコーリフレが作り出す『輪』が、サウナ者たちの住むそれぞれの地域の温浴施設へと続いてくれることを願っている。

サウナはいい。そして、そのサウナを十全に引き出すためのおふろもいい。

それぞれがその素晴らしさを、日々のルーティーンの中に取り入れ、地元の温浴施設や銭湯に足を運んでくれやしないだろうか。

業界全体の活性化が悲しい連鎖を止めてくれると信じたい。

勇気を出して入る水風呂は、自分の生活を変えるかもしれない。ニコーリフレに行けばそれがわかる。そして、その喜びが地域の銭湯を救うかもしれない。

どこの『輪』もきっと優しく私たちを迎え入れてくれるはずだ。そんな場所をこれからもたくさん残していきたいと心から思う。

lesson.1)豊平区豊平 鷹の湯

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この入り口の下に立ったあなたは鷹の湯を味わう準備ができているだろうか。

「どれどれどんなところかたしかめてやろうじゃないか」

「お湯が熱いって聞いたけど、あそこと比べたらどうなんだい?」

もし、心の片隅にこんな思いが浮かんでいたとしたら、今日は鷹の湯の日ではない。

きっと「ニコーリフレ」か「つきさむ温泉」か、「絢ほのか」か、「手稲ほのか」に行ったほうがいい。

でも

「どんなものが待っているんだろう」

「疲れたなぁ、もう疲れたよ……」

そんな気持ちだったとしたら、すぐに暖簾をくぐろう。これはそんなあなたが鷹の湯を味わうためのlesson.1だ。

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靴箱に靴を入れたり、入れなかったりしたあと、ロビーに入る。

おかみさんがテレビを見ているかもしれない。ご主人がスマホで上海をしているかもしれない。

ようこそ、鷹の湯へ。

そこには昔ながらの『豊平』が広がっている。ここはすすきののベットタウン。きたえーるやら地下鉄学園前駅やらが登場し、『豊平』が若夫婦の住みやすい街になるはるか前。墓場の周りに不良たちやその筋の人々が集まっていたころの雰囲気(の残り香)を鷹の湯では嗅ぐことができる。

脱衣所ではロッカーを使ってもいい。かごにがしゃっと荷物をぶちこむ荒々しさもまた一興だ。全裸になった後、体重を計ったついでに飲料水を飲んでみてはいかがだろうか。蛇口の根本に少しほこりがたまっているが、そこから出てくるのは美しい地下水だ。

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浴場に進むと、(男湯は)右手の奥が「熱湯(ねっとう)」、その手前が「ぬるめ」と書かれた熱い湯になっている。

おすすめのカランは「ぬるめ湯」の横。ここならホースシャワーのお湯が温まりにくかった場合、すぐに熱いやつを桶に汲んで頭や体にぶっかけられる。体をこするタオルを桶に汲んだ熱々の「ぬるめ湯」で温めておくことも可能だ。

自分のカランを決めたら、今度は熱湯の湯で体を清めよう。熱湯とぬるめ湯の間にかわいらしいちいちゃな桶があるからそれを使えばよい。

これは清めというよりは、確認といったほうがいいかもしれない。

鷹の湯の全力は「ドタマイカレトンデスカ――!!」と叫ぶ温度なのだが、それに耐えきれずに誰かがうめたか、外気温が低すぎて熱くなり切らなかったか。理由は定かではないが、常識の範囲内の湯温の場合がある。

激熱を求めていたからといって、それを嘆く必要はない。

こういうときは、水風呂の温度がかなり低くなっていることが多い。

おそらく鷹の湯の水風呂は地下水かけ流しのため、水風呂の温度が極めて低い日がある。もしかしたら、今日がその日なのかもしれない。

いずれにせよ、鷹の湯を楽しむための演出として、やっておいて損はない。

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頭と体をサラッと洗ったら、本番だ。

ドタマイカレトンデスカー!であった場合、熱湯と水風呂の温冷交代浴を中心にするのがいい。無理をするなというのが無理な注文かもしれないが、いきなり熱湯につっこんでみよう。

あなたが色白ならお湯に入ったところから下がピンクに変わるはずだ。

あなたが色黒ならお湯に入ったところから下がどどめ色に変わるはずだ。

すぐに水風呂に入り、肌を落ち着かせよう。

だが、極めておとなしい顔をして、冬の鷹の湯の水風呂はかなり温度が低い。この落差を繰り返し繰り返し味わい続けよう。

もし、熱湯が常識の範囲内におさまっているのであれば、サウナを中心に組み立てることをおすすめする。

だが、鷹の湯のサウナは一癖あるので要注意だ。

まずは熱湯で体をあたためてから、サウナ室へと向かおう。その際、サウナの窓にあるペラペラのサウナマットにお湯をかけて持ち込むのを忘れずに。自分のサウナマットがあるならば、それでもかまわない。

室内の温度はぬるめ。だから、体を温めておく必要があるのだ。

また、サウナ室には何かしらの芳香が漂っている。気にならないという方はまったく問題ないのだが、「大丈夫、誰も気になりませんよ」というにはいささか芳香剤の香りが強い。

サウナを楽しみたいのなら、タオルを口に巻いたり、自分好みのアロマオイルを事前に仕込んでおいたり、などの準備(というか心構え)があるとなおよいだろう。

サウナ上がりには熱湯を体中にぶっかけ(サウナマットにも忘れずに)、水風呂へじゃぼんだ。

いずれにせよ、天国への階段を感じられるはずだ。

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温冷交代浴には休憩がつきものだ。

鷹の湯で休憩する場所は大きく分けて4か所ある。

1つは脱衣所。扇風機もあるが、狭い。

2つ目は自分のカラン。オーソドックスな休憩場所だ。

悪くはない。が、私のおすすめは以下の2か所だ。

それが浴場入り口すぐそばにある高齢者介護用椅子。そして、その横のデッドスペース的片隅の地べた直座りだ。

高齢者介護用椅子を用途通りに利用している常連さんもいるのだろうが、いまだそんな場面に出くわしたことがない。せっかく用意されているのだから、誰も使わないままというのはもったいない。

座ってみると介護用に開発されたものだから高さもほどよく、ぐでえっとしやすい。

ちょうどよい。

しかし、私がもっともおすすめしたいのがタイル直座りだ。

自分のカラン前でもいいのだが、片隅に陣取り、おっちゃんこして椅子を抱え込んだりするともふあっとなる。鷹の湯はカラン周りにかなり広いスペースを確保できるので、移動の邪魔になることはない。ただ、奇異の目で見られる可能性は否定できない。

かつて私も常連のじいちゃんがやっていたのを「おいおい」という目で見ていた。

だが、ひょんなことから真似してみたら、これがいい。すごくいい。なんというか、すごくすごいのだ。(※もちろん座った後はシャワーで洗い流し、きれいきれいにすることは忘れてはならない。できれば、持参したサウナマットをひくのがベスト)

鷹の湯はおおむね話し声のない静かなところ(男湯は常連同士の会話もほとんどない)なので、邪魔にさえならなければ、だいたい放っておいてもらえる。ありがたい限りだ。

休憩の仕方にもおすすめがある。

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『耳ふさぎ休憩』

これは、最近、美春湯で開発した。

やり方は簡単。

温冷交代浴のあと、地べたに座り、頭からタオルをかぶる。椅子に頬杖をついて、耳に指を突っ込む。そして、ただ耳を澄ませる。

すると「ごごごごご」というかすかな音が聞こえてくることに気づくはずだ。

わずかな血流の音なのか、筋肉の緊張の音なのか。それは吹けば飛ぶようなとてもとても小さな音だ。

遠くで吹き荒れる風のような。

地の底でうごめく不吉な何かのような。

その小さな音に耳を傾け続けていると、次に自分の脈動を感じはじめる。生きている不思議、死んでいく不思議。体の中の自分でコントロールできない営みに近づく。そして、私たちの肉体もまた自然の一部なのだと知る。

気がつくとずいぶん時間が経っている。

耳から指を引き抜き、ミクロの世界から静かな浴場へ戻ってくる。その静かさの中にこれほどたくさんの音があったことに驚き、違う世界に紛れ込んだ気になる。『耳ふさぎ休憩』によって、自分が何かを見落としながら生きてきたのだと知る。

できれば、静かな銭湯の、素っ裸の状態で試してほしい。

たとえば、美春湯や。

たとえば、鷹の湯で。

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これにて、lesson.1の終了。

もし、この長いレッスンを終え、「まあ、そんだけ言うなら行ってみてやろうか」と思ったとしたら、たぶんあなたの行先は鷹の湯ではない。「ガーデンズキャビン」や「壱の湯」や「小金湯」に行くといい。あと「森のゆ」や「月見湯」もいい。

そもそもが、こんなレッスン、どうでもいいのだ。

どんな場所でも、どんな身近でも、新しい発見はできる。そのささやかな『自分だけの何か』を見つけたいと思えたら、きっと鷹の湯を楽しむ準備ができたと言えるだろう。

でも、ひょんなことから鷹の湯に行くことになったときは、私たちを放っておいてほしい。思い思いによだれをたらしながら、ぐでぐでしているさまをしり目に、過ごしてもらいたい。できれば、ちょっと離れたところで一緒によだれをたらし、ぐでぐでしてもらえるとありがたい。

風呂から上がったら、「ありがとう」とご主人(おかみさん)に挨拶をして、帰路へ着こう。

帰り道、「少しだけ、明日もがんばろうかな」と思えたらさいわいだ。

せん湯とごはんvol.9)豊平区豊平『東豊湯』と『三日とろろ』

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〈父上様、母上様、三日とろろ美味しゆうございました。〉

前回の東京五輪のスターのあまりにも有名な遺書。2回目の東京オリンピックの延期ないしは中止に何を思うだろうか。

未曽有の2020。

2021はどうなるんだろう。

ワクワクした気持ちで考えるにはあまりに不確定要素が多すぎる。毎年毎年、不確定要素は満ち満ちているから、今年も同じだ、と開き直れるほど楽観的には生きられない。

SFが少しずつ現実を侵食してきている。

小説が現実を凌駕し始めている。

わからないことが増えるスピードが速い。心の安定をはかるのが難しい。

せめて世界から少しでも不思議を減らしたい。少なくとも自分の小さな世界からだけでも。

まずは『三日とろろ』とは何かから始めよう。

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私の住む北海道札幌市でも『三日とろろ』なるものが年末年始のスーパーのPOPに並ぶようになった。

正月明けの成長・滋養強壮のためにとろろを食すという風習。

そんなん知らん。

けど。

なんだか、美味しそうかもー!

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年末年始はうまいものだらけ。

手作りの角煮からはじまり、おそば、焼酎、おせち、ビール、おせち、焼酎、ビール、おせち、雑煮、ビール、もち、もち、焼酎、おせち、と幸せのパレードが行く。

そのうえ、3日にはとろろだ。大好きだ。私はとろろが大好きだ。

だが、パレードの中では少し地味かもしれない。

ならば、そこにお化粧を施そう。

つまり、風呂上がり、サウナ上がりという万全の態勢で味わってやろうという寸法だ。

なんせ、1月3日のさつよく加盟店では『しょうが湯』を実施している。

『しょうが湯』のち『3日とろろ』

ふむ。

鬼才。

現る。

ーーーーーー

正月から遠出はしたくない。

そもそも私は根っからのインドア派なのだ。

すると選択肢は限られてくる。その中で、最近とんとご無沙汰していたのが『東豊湯』だった。

幼少期に通っていた銭湯。

今もまだ現役であることに感謝しつつ、雪道に自転車を走らせる。

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まばらだが、人がいる。前に来たときに見かけた顔が多い。あの図柄は前にも見た湯屋の華だ。

常連がいるというのがいい。

東豊湯は『ここがすごい』というところを見つけるのは難しい。言葉にしづらい。地域に根差している銭湯という存在自体がそういった類のものだ。

それでも通い詰めている人がいる。

それも、どこの銭湯にもいる。

誰にでもわかるよさ、ではなく、誰かがわかるよさ。

それをわかれる大人でありたい。

…………でも、せっかくのしょうが湯が紫になってね?

生のしょうが使ってるのに、なんで入浴剤入れちゃうのよ……

ーーーーーー

湯船に浮かぶスライスしたしょうがの匂いはあまりにも淡かった。ウキウキがほんのりとしぼんでいく。

コロナ対策のために3人限定になっているサウナ。順番が回ってこない。

もろもろをあきらめ、2回目の洗髪洗身にそそくさと移る。

シャンプーをしながら、足元を流れるお湯が目に入る。それを吸い込む排水溝をため息交じりに見つめる。

「今年もこんな感じかね」

泡を避けた薄目から流れ出ているのが涙でないことを祈るばかりだ。そんな憂鬱が心を支配しようとしていた矢先。

???

あれ?

排水溝に流れてるお湯、紫じゃなくて、ピンクじゃね?

ピンク?

ピンクのお湯?

しょうが湯がピンク。

ピンクのしょうが。

あーーーーーーー

岩下の新生姜の湯だーーーー

もう!

早く言ってよ!気づかないじゃないのさ!

生しょうがのスライスを岩下の新生姜の香り湯に浮かばせるなんて、おしゃれ以外の何物でもないじゃない!

さっき、匂いをあまり感じなかったから、今度はしっかり温冷交代浴して感度ビンビンにしてから入りましょ。

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サウナ

あっち

水風呂ちめたい

サウナ

あちち

水風呂

ちめたい

サウナ

アッチぃ

水風呂

地下水

そして、しょうが湯

はわぁん。香る。ちょっと甘いのは岩下の新生姜か。はぁ、気づいてんのかなぁ。このしょうがin岩下の新生姜。俺しか気づいてないんじゃね?はわぁん。俺だけがわかっているかもしれないってのはなんかいいなあ。

たまらんなあ。

これだからやめらんないんだよなぁ。

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アピール下手な東豊湯のサービス精神。

たぶん、これが常連の心をひきつけるのだろう。少しわかった。だって、こんなに心身ぽかぽかになれる。通いたくなる。

こいつぁ春から縁起がいいや。

氷点下の雪道がほかほかだ。

こりゃあ、とろろだけじゃ足りないか?やまかけか?やまかけとろろにしちゃうか?帰り道のスーパーで散財しちゃうか?

で。

三日とろろ

ドーン!

ってやりたかった。

そういう構成のつもりだった。

のに。

……写真、どこ探してもないんですけど……

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うまかったさ。

そりゃあうまかったさ。

おせちやら雑煮やらビールやらハイボールやらで疲れたおなかにやさしかったさ。三日にとろろを食べる意味がわかったさ。

でも、その写真がどこにもありゃしない。

スーパーでやまかけどころか、うににいくら、キャビアにシャコなんかを買って、タイやヒラメの舞い踊りだったのだ。でも、写真がなければ証明できないじゃないか。

東豊湯の岩下の新生姜with生しょうがスライス湯であおられた食欲に任せて、2tの長芋をすって、白飯を5t食べたんだ。

本当だよ。嘘じゃないよ。

というわけで、新年早々、ポカしちゃいましておめでとうございます。

今年がどんな年になるのかまったく予測もつきませんが、よろしくお願いいたします。

extra.10)白石区・大豊湯・共栄湯・美春湯 豊平区・鷹の湯・東豊湯

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8月のある日、札幌市内のこの5店舗がパインアメの湯を同時に実施するというイベントがあった。

さつよく(札幌公衆浴場商業協同組合)が主導ではなく、あくまで各々の裁量と探求心が生んだイベントだ。

第1弾のときもワクワクしてブログを更新した。その感想を書こう。

行けなかった

大豊湯のレンガ張りのあちあちサウナからのぱいーんをすることも

共栄湯のぬるぱいーんからのおーじゅあーんすることも

美春湯のあちあちぱいーんからの無料ドライヤーでういーんも

鷹の湯の「どたまいかれとんじゃろがい」熱湯(ねっとう)ぱいーんも

東豊湯のおっちゃんこできる浴槽ぱいーんからの飲めるみずぶろーんも

できなかった

その日から私は荒れた。

夜中にごそごそ起き出しては大量のマヨネーズと岩下の新生姜のみじん切りを混ぜ込んだポテサラを作っては食パンにはさみ、ビールで流し込んでみたり、冷凍のから揚げをチンしたものに、マヨネーズと岩下の新生姜のみじん切りとゆで卵を混ぜたタルタルソースをたっぷりのせてはビールで流し込んでみたり。果ては岩下の新生姜とは違うのにとても似ている新生姜をポリポリしては、芋焼酎ソーダ割りを飲んでみたり。

体を痛めつける拷問のような日々だ。その無理がたたって、今では私のおなか周りにふわふわな何かがついた。無学な私にはそれが何なのかはいまだにわからないが。

そんな札幌の片隅でうらぶれていた私にこんな知らせが届いた。

うんだらぼっすかいわいおいhご@あおいあ!

今度こそ逃すわけにはいかない。

なにせだ。

みてくれたまへ。

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願い叶っとるやないかいッ!!!

一念岩をも通すッ!!!

というわけで、札幌のみなさん。

明日、12/6(日)

白石区北郷のぬる湯打たせ湯がたまらない大豊湯

白石区東札幌のラソラの近くの看板が印象的な共栄湯

白石区南郷通7の番台式からロビー式にかわったばかりの美春湯

豊平区豊平の高い天井と熱湯が待つ鷹の湯

豊平区豊平の全身を乾かすドライヤー室が珍しい東豊湯

銭湯『詣り』に行ってみてはどうですか?ジンジャーなだけに(絶好調)。